こんにちは、松久です。
各自で「ふりかえり」をして、人事評価がされます。 私も「ふりかえり」をするのですが難しいです。適切な「ふりかえり」だったのかわからず、手探りで行うことが難しく感じます。 そこで「ふりかえり」をどうやっているのか、まとめてみました。
ふりかえりとはなにか
経験したことを身につける(自分の知恵)にすることです。 反省する(過ちを認める)ことが「ふりかえり」ではないです。
経験したことを身につけるというのは、以下の3つのステップに分解できそうです。
- 認知:知った・(他者から聞いて)知っている
- 行動:使った
- 結果:成功・失敗
経験とは、知ったことをもとに行動し結果を知った状態になることとします。 自分の知恵にするには、これらを「抽象化」して「次の行動を決めること」が必要になります。
経験したことを身につけるための「ふりかえり」は3ステップになります。
- 経験の確認
- 経験を抽象化をする
- 抽象化したことから、次の行動を決める
目標とふりかえりの関係
目標は「成果(結果)」のための「行動」を設定しています。 目標で設定した行動をして成果(結果)がどうだったか確認し抽象化して次の行動を決めるまでが「ふりかえり」となります。
抽象化するということは、認知にも繋がります。認知になると、次の経験のためのスタートになります。 そのため、目標をたてたら、ふりかえりをすることで循環させていく取り組みになっています。
ふりかえりをする
ふりかえりをする前に
ふりかえりは、具体から抽象を引き出して、具体にしていきます。また、過去に何をしたのか確認する工程があるので、思い出す時間も必要となります。 そのため、おさえておくと良さそうなポイントは以下のとおりです。
- 落ち着いた時間を確保すること
- なにかをやりながらは、ダメ
- 細切れな時間ではなく、ある程度続けた時間であることが理想です
- 疲れているときにはしない
- ネガティブなことばかりになりがち
- 反省になってしまう
実際にふりかえりをする
何をして、どんな事が起きて結果どうだったかを確認します。 サンプルを用意してみました。
何をしたか?から始めて、次の行動まで書き出してみる
- どんな行動をしたか?
- LPを作った
- どんな事が起きたか?
- 期日に間に合った
- CSS を書く時にクラス名の命名で困ったが解決方法がわからなかったままになった
- CSS 変数の便利さがわからなかったが、便利な場面に出会った
行動して起きたことを書き出したら、抽象化をしてみます。 抽象化の前に、出来事の原因を探します。そこから抽象化をしてみます。
- 起きたことを抽象化する
- 期日に間に合ったのはなぜ?
- デザイナーさんとレイアウトが見えてきた時点でマークアップを始めたから
抽象化
=> 手戻りの可能性がない部分を明確にすることで、開発着手を早めてスケジュールの短縮に繋がる
- デザイナーさんと進捗の共有をしたから
抽象化
=> 初期段階で関連ステークホルダーとコミュニケーションを取り、進捗を共有することで、手戻りの可能性を減らしたから
- デザイナーさんとレイアウトが見えてきた時点でマークアップを始めたから
- 解決方法がわからなかったままになった
- なんとなくで命名して解決してしまった <= 見返しポイント
- 便利な場面に出会った
- 何度か使ってみていたから出会えた <= 見返しポイント
- 期日に間に合ったのはなぜ?
抽象化から、行動を書き出してみます。 「行動」はカタチに見える行いを「行動」とします。 例えば「考える」だと何か具体的なカタチに見えるものがないので「行動」とは呼びません。
- 次の行動を決める
- 期日に間に合ったのはなぜ?
- 自分ができるところから着手を始めて、後で変わるのか、変わらないのかを把握する
- 把握するためにも、ステークホルダーと進捗の共有を毎日する
- 解決方法がわからなかったままになった
- 次の行動なし <= 見返しポイント
- 便利な場面に出会った
- 次の行動なし <= 見返しポイント
- 期日に間に合ったのはなぜ?
書き出したものを見返す
ここで、もう一度見返します。行動のところから見返していきます。
見返すポイント
- 上手くいったのはなぜ?系
- 「リリースできた」「100%以上の達成をした」時は、なぜ出来たか?要因を探ります
- 要因を定着させることを次の行動にします( Keep となる行動をみつける )
- 200% の成功になるには何が足りなかったかを探るのも出来そうです
- 「リリースできた」「100%以上の達成をした」時は、なぜ出来たか?要因を探ります
- わからなかった系
- わからないときに、なにもしないのはなぜか?を探ります
- わからないんだったらどうする?はエマージェンシーリーダーシップがあるか?のポイントになります
- どこまでわかって、何がわからないのか探ります
- わからないときに、なにもしないのはなぜか?を探ります
- わかった系
- 本当にわかった?わかったことを広げられない?を探ります
- わかったあとに、定着を目指す行動がないかを探ります
- 行動しなかった時
- なぜ行動しなかったんでしょうか?を探ります
- 「体調を悪くしていた」などやむを得ない事情もあります
- 他の急ぎがあった時は、別なことの行動のふりかえりをします
- ただ、OKR 以外のことが発生した理由を探るのもアリです
- サボった、という話であれば、とにかくやる、時間の使い方の配分を検討します
- なぜ行動しなかったんでしょうか?を探ります
- 実は問題ではなかった
- 問題だと思っていたけれど、誰も困っていない時は、問題ではないことに気づいた、とします
上記のようなふりかえりの見直しをして、抽象化と次の行動を書き出して「ふりかえり」とします。 抽象化は、「他でも起こせること」「ベストプラクティスをつくる」「教訓」などと言い換えられそうです。 起きたことから気づいたことを抽出するようなイメージです(インサイトを見つけるとも言えそうです)
ふりかえり方法のまとめ
ふりかえりは3ステップです。
- 具体:経験の確認
- 抽象:経験を抽象化をする
- 具体:抽象化したことから、次の行動を決める
上記の流れで、具体と抽象を行き来するので、時間も必要となります。 落ち着いたまとまった時間を確保して行うことをおすすめします。
おわりに
「ふりかえり」について具体的にどうすればいいのかデザイナーに説明することがあり、実例で書き出してみました。 書き出してみてから「ふりかえり」をしてみると、抽象化が大切になっていると実感しました。
個人の「ふりかえり」をすることで、個々人の学習を組織に広めて「食べチョク」の改善を進めていきます。