こんにちは。食べチョクの松久です。
今回は、デザイナーへの依頼数を GitHub CLI と jq を使って集計している話を紹介します。 どうして、依頼数を計測することになったのか、どうやって GitHub CLI と jq を使って集計しているのか、を順番に説明していきます。
組織の中でのデザイナーの位置付け
最初に、「食べチョク」を作る組織の中でのデザイナーと、エンジニア、プロダクトマネージャーの関係は下記の図の通りです。
「食べチョク」を作る組織は、チームトポロジーを原則としています。 2022年9月現在、「プロダクトチーム」にミッションを持った「ユニット」がいくつかあります。ユニットには、プロダクトマネージャー、エンジニア、デザイナーなどで構成されています。ただ、ユニットによっては、デザイナーがいないこともあります。詳しくは「食べチョクのプロダクトチームとチームトポロジー」を参照してください。
デザイナーは、ストリームアラインドチームに所属するのを基本にしています。デザイナー(職能)だけの組織はありません。 組織図には存在していませんが、デザイナー同士で集まって組織的に活動する場面も多くあります。理由は、「食べチョク」でのキャンペーンや、株式会社ビビッドガーデンの運営に必要なクリエイティブ作業も担当するため、組織的な対応が必要となるためです。
具体的には以下の仕事があります。
- キャンペーンページのデザイン
- キャンペーンに関するバナー類の作成
- ディスプレイ広告などの作成
- 広報に関する画像
- コーポレートサイトの運用
- Tシャツ
などがあります。
2021年末頃、デザイナーも、マーケティング、広報担当も今より少ない人数で、なんとか対応していた状態でした。 その後、デザイナーの人数は増え、マーケティング、広報担当の人数も増えました。人数が増えた分、取り組む「食べチョク」や、株式会社ビビッドガーデンの運営に必要な「クリエイティブ作業」も増えて、対応が追いつかなくなってきました。
バナー作成など依頼数が増えてきたがどれぐらい増えたのか計測したい
本来であれば、依頼を受けて対応するよりも、一緒に目的のために活動できる状態( = ゴール)が望ましいのですが、まだその状態には達していないです。ゴールに向けて、今の状態を把握するための取り組みから始めました。
最初の取り組みは、Slack などで行われていた依頼を全て GitHub issues で残すことにしました。 プロダクトチーム(ストリームドアラインチーム)はもちろんですが、マーケティング、広報なども issue に書き起こしてもらうことを徹底しました。issue には、部署ごとのラベルをつけて分類しています。 issue は複数のリポジトリで管理されていますが、デザイナーが関わるリポジトリは限られているので(いまは 3つぐらい)、そこはあまり負荷になっていません。
GitHub CLI と jq を使って集計する
GitHub CLI ( gh )を使い、issue のデータを取得していきます。 issue のデータは、json 形式で取得できるので、jq コマンドで tsv 形式にしてダウンロードします。
$ gh issue list -s all -L 1000 --search "label:"design:UI","design:ASAP","design:PS","design:PR","design:service","design:marketing","design:biz"" --json "createdAt,closedAt,number,title,url,labels,state"| jq -r '.[]|[.createdAt, .closedAt, .number, .title, .url, .state, ([.labels[].name] | join("/"))]|@tsv' > issue.tsv
gh コマンドには、色々なオプションがあるのですが、ラベルを複数指定することが難しかったので、search オプションでラベルを指定して検索しています。 検索結果を jq コマンドに渡して、tsv ファイルにして保存しています。 この後は、tsv ファイルを Google Sheets にいれて、集計します。
集計結果を活用する
集計結果は、毎月、プロダクトチームで成果を共有する場で、プロダクトチーム外で起きたプロダクトのこととして数値共有を 発表して esa に残しています。 また、完了数や、時間の配分も他の集計結果と合わせてわかってきたこともあるので、業務の見直しに活用できました。
おわりに
組織が大きくなり、デザイナーが色々な場面で求められるようになってきました。 求められるのは、嬉しいですが、残念ながら人数の限界もあります。どんなことが今できているのか数値で整理することで、他のチームに理解を求めたり、活動を可視化できました。
今後もいろいろな取り組みで、個々のデザイナーの力をより発揮できる組織になって「食べチョク」の改善に向き合っていきます。